H28年度冬期特別講座

1.デッサン  2月17日(金) 実施
2.水彩テクニック  「水と色を使いこなしてムードのある絵を作ろう!」 3月16日(木)実施
3.遠近法(透視図法)   3月17日(金)実施
4.クロッキー   3月22(水)実施
5.作品研究会  3月27日(月)実施

1.「デッサン」

2月17日(金)に上田耕造先生による冬期特別講座「デッサン」が実施されました。

まず先生による講義や実演があり、その後で実習へ。10時から16時まで昼食休憩を挟んで正味5時間の講座でした。初めに、木炭、木炭紙等の使い方のイロハを。その後全員が木炭を使って描きました。モチーフは石膏像(ブルータス、モリエール、ジョルジョ、ヘルメス)の4体。

 

 

 

 

 

 

 

「感覚で描く」「似なくてよい」「触ることは大事」「時々離れて眺めることは大事」等のアドバイスがあり、先生から教わった描き方で真剣に石膏像と向き合っていた皆さん(触るのは控えていられましたが)。終了時には木炭デッサンが初めてとは思えないような力作が並びました。

 

 

 

 

 

 

 

石膏像デッサンが大好 きという上田先生の気持ちが伝わってくるような講座で、
皆さんから「新しい話しを沢山伺った」「充実していた」「楽しかった」等の声が聞か
れました。機会があったら、次回は「精度を上げる」描き方を教えて下さるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.水彩テクニック 「水と色を使いこなしてムードのある絵を作ろう!」

①均一ウオッシュ ②単色ウオッシュのぼかし ③2色のウオッシュのぼかし④多色のウオッシュ ⑤スパッタリング ⑥ドリッピング ⑦先水 ⑧後水、等の技法を学んで一つずつ試していきます。ウオッシュでは同じ構図で4種類の実験をします。多色ウオッシュでは、イメージを変えて2種類作っていきます。

平成29年3月16日(木)/荒井 美智代先生(東光会)

3.遠近法(透視図法)

3月17日(金)、冬期特別講座「遠近法(透視図法)」が午前、午後と2回実施されました。講師は、アトリエ21でご活躍中の上田耕三先生です。

 

 

 

 

 

 

 

絵画空間にルールを与え、形の裏側までつじつまを合わせる図法、それが透視図法です。一見写真のように正確に描く方法だと思われがちです。2次元の表現は実は眼に映る形とは違っているのです。
講義は、ワークシートの指示にしたがって、A3コピー用紙に赤青鉛筆、黒鉛筆で2時間半かけて順番に描くことにより、2点遠近法による作画を実体験するものでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

理詰めの講義でしたが、高校美術教師の経験もお持ちの上田先生。一人ひとりにとても丁寧な指導があり、一人の落ちこぼれなく、充実した講座となりました。

 

 

 

 

 

 

 

最後の質疑応答では、実際のスケッチ、作品制作上の注意点など実践的なアドバイスもあって、とても勉強になる講座でした。

 

4.クロッキー

3月22日、岡田高弘先生による冬期特別講座 “クロッキー   女性ピエロを水彩で描く” が開催されました。
講座は、午前、午後10時からと13時30分からそれぞれ2時間半です。

最初の30分は、岡田先生が用意された資料を基に、デッサン、水彩で直接描くクロッキーについてのレクチャーが。

” デッサンは、コピーではない! ”

その後は20分間、先生が説明を交えながらのデモンストレーション。

岡田先生から最初にバレリーナからピエロに変更したことについてお詫びがあり、その後テンポよくレクチャーは進められ、受講生も熱心に聞き入っていました。
デモンストレーションの時は真剣な熱い視線を背中に感じ「緊張する」と先生のジョークも。
なかなか見られないプロの筆使いは勿論のこと、先生のパレット、筆などにも皆さん興味津々でした。

デモの後は、休憩を挟み20分デッサンが計4回。精力的に描いている受講生を相手に熱の入った指導で、先生はほとんど休息なし。~お疲れ様でした。
午前、午後共最後に岡田先生のデモンストレーションで描いた水彩クロッキーを全員じゃんけんでお一人にプレゼント。大変盛り上がった特別講座でした。

 

 

5.作品研究会

3月27日(日)に、特別講座作品研究会が実施されました。例年同様に、日頃描いているものから公募展に出品する作品まで、サイズはF6からF80にわたり油彩・水彩・パステル・アクリル・木炭デッサンのジャンルの作品が持ち込まれました。
参加者は講師の広田 稔先生の巧みな講評に熱心にメモを取りながら聞き入っていました。
最後に設けられた質問コーナーでは、構図の取り方や遠近感、陰影、白と黒の使い方について等々、様々な質問が上がりました。広田先生からは、目線の位置や、消点V(Vanishing Point)の留意、稜線を挟む光と陰の色の違い等の基本的なことの大切さのお話があり、質問者も納得した様子で閉会しました。
本研究会は毎年好評を博しており、この講評を元にして作品を手直しする方も多くいるようです。

実施日:平成29年3月27日(月)
場 所:横浜美術友の会6階アトリエ
講 師:広田 稔先生(白日会)